「生え際」の薄毛で悩む男性は多いですよね。
そこで今回薄毛治療の専門医、AGAスキンクリニック新宿駅前院の西垣院長に詳しく話を聞いてきました!
・AGA治療は生え際の薄毛にも効果的なのか?
・治療をするのに効果的な薬は?
・効果が出やすい人
・出にくい人の傾向
などを詳しく教えてもらいましたので早速お伝えしていきます。
生え際の後退はAGAのよくある症状?
筆者:
生え際の髪の毛が後退したり産毛になってしまうのは、AGAのよくある症状なんですか?
西垣院長:
よくありますね。
男性であれば、「生え際」か「頭頂部」か、どちらもの方もいらっしゃいますけど、大まかにどちらかが薄毛のスタートにはなります。
AGAで生え際が薄くなる場合の特徴
筆者:
生え際の後退で、AGA独特の症状というのはあるのですか?
西垣院長:
AGAは、いきなり禿げるわけではなくて、太かった毛がだんだん細くなって、最終的に産毛になって、生えづらくなっていくという形を通っていきます。
例えば、髪の毛を上げてもらった時に額に近いところの方が、細くなってくる、前から後ろにかけて薄くなっていく傾向がAGAの生え際の後退の特徴です。
後頭部と比べて明らかな差で生え際の毛が細くなっていたら要注意です。(なだらかに薄くなっている程度なら問題ありません。)
AGAで生え際の後退が起こる原因
筆者:
AGAで生え際の後退が起こる原因は何ですか?
西垣院長:
遺伝的なものが影響していることが多いです。
遺伝があっても薄くならない方もいらっしゃいますけど、基本的に髪の毛が薄くなりやすい体質というのを受け継いでいます。
親御さんであったり、お爺さんという家系的な血の繋がりが一番の原因と考えられていますね。
AGA治療をしないと進行するのか?
筆者:
実際に生え際の後退というAGAの症状が出てきた時、薄毛治療をしないと、どんどん進んでいくものなんですか?
西垣院長:
そうですね、スピードは個々人でかなり差がありますけど、少なからずゆっくりゆっくりでも進行はしていくものですので、勝手に止まるというのは考えづらいですね。
AGAは治療をしないと進行してしまうもの。自然治癒するものではありません。
生え際の薄毛にAGA治療薬は効果がある?髪は復活する?
筆者:
生え際の薄毛は、AGA治療薬を使うことで改善が期待できるものなんでしょうか?改善できる場合は髪の毛が復活するイメージですか?
西垣院長:
そうですね。復活すると言い換えることができるかもしれませんね。
髪の毛が細くなっているところは本来太くはずのものがそうならなくなっている状態で、それを元通りに近づけていく治療になるので、細い髪の毛が太くなるというのは復活するという風に言い換えることはできるかもしれません。
ただ、統計上の話をすると、やはり頭頂部の方が効果が出やすい印象ではありますね。
生え際が効果が出ないというわけでは決してないんですけど、頭頂部に比べるとちょっと効果が弱いかなという気はします。
人によっては逆のパターンもあったりしますので、一概には言えないんですけど。
筆者:
頭頂部に比べると、生え際は効果が出にくいんですね。
人にもよるが、生え際の髪は頭頂部と比べて効果が出にくい傾向。
生え際の後退が治りにくい理由
筆者:
生え際が頭頂部の薄毛より効果が出にくい理由を教えていただけますか?
西垣院長:
はっきりとした理由は、おそらく解明されていないと思います。
私の個人的な印象ですけど、生え際から薄くなる方、てっぺんから薄くなる方、両方いらっしゃるのですが、最初に薄くなり始めた場所ほど、改善されるのが一番最後になる傾向にあります。
てっぺんからよりは、生え際から薄くなってくる方が多いとは思うんですけど、今まで見てきた限りではそういう印象を受けますね。
治療をすることで、どのくらいの人が満足する?
筆者:
実際、生え際の薄毛治療に来られて、治療をした方のうちどのくらいの方が満足されている印象ですか?
西垣院長:
生え際は効果が凄く出る方と、そうでない方に分かれます。
思ってた以上に髪が生えたという方もいらっしゃれば、まだこれぐらいかぁという方もいらっしゃいますね。
本当にこればっかりは、その人にどういう風に働きかけるか、やってみないとわからないことなので、なかなか最初に来られた時には判断しづらいですね。
西垣院長:
皆さんが皆さん、100%満足というわけでは、決してないとは思います。どうしても、フサフサというところを希望される方もいらっしゃいますので。
なかなか、フサフサになるのは、難しくてですね、ある程度、戻すことはできると思うんですけれども、かといって、完全に20歳くらいの状態に戻せるかというと、なかなか今の医学では難しい形にはなってきますね。
筆者:
薄毛治療で目指せるのは、その年代の平均的な髪の量までと聞いたことがあります。
正しくゴールを把握していないといつまでたっても満足できなそうですよね。
AGA治療を受ければある程度、生え際の後退を戻すことはできる!
ただし、全盛期くらいフサフサに戻すのは今の医学では難しい。あくまで、治療で目指せるのは、その年代の平均的な髪の量まで。
生え際の薄毛に効果的なAGA治療薬は?
筆者:
生え際の薄毛に悩まれてる方に効果的なAGA治療の薬はどんなものになりますか?
西垣院長:
基本的には頭頂部であっても生え際であっても薬は、変わりありません。
進行を抑えるためには、フィナステリド、デュタステリドが必要ですし、髪の毛を生やしたいとおっしゃる方にはミノキシジルが必要となってきます。
フィナステリド、デュタステリドに関しては、デュタステリドの方が、より広範囲に強力に作用する薬になってきますので、フィナステリドを使って、効果が思ったほどという方には、デュタステリドに切り替えていくのを推奨することがあります。
最初からデュタステリドという方は事例としては少ないと思います。
筆者:
今、AGAスキンクリニックでは、色んな薄毛治療がありますけど、やっぱり内服薬が1番効果的な治療方法になるのでしょうか?
西垣院長:
そうですね。
毎日飲んで、成分を細かいところまで行き届かせるということができるのが大事になるので、最低限それは必要でしょうね。
内服せずに、外用薬や頭皮の注射だけで改善が見込めるかというと、ちょっと難しいですよね。一時的な効果でしか無いと思います。
プロペシアやザガーロだけで生え際を前進させるのは難しいか?
筆者:
プロペシア(フィナステリド)やザガーロ(デュタステリド)は進行を抑えるための治療薬ということですが、ミノキシジル無しで、プロペシアやザガーロだけで、生え際の髪の毛を前進させるのは難しいのでしょうか?
西垣院長:
そうですね、基本的にそのようにご説明します。
筆者:
髪を生やしたい人にはミノキシジルが必須なんですね。
西垣院長:
ただ、プロペシアやザガーロで進行の抑制を掛けることによって、多少、髪の毛が復活するというか、細かったものが、若干、太くなるというのも、ないわけではないんですね。
そういった場合、皆さんの感覚として少し生えたとおっしゃる方もいらっしゃいます。
ただ、割合としてはかなり少ないと思います。
基本的にプロペシアやザガーロは発毛薬ということではなく、あくまで進行を抑えるためのお薬という説明はしています。
AGA治療で髪の毛を生やしたいなら「ミノキシジル」は必須。それに加えて進行を止める「フィナステリド」or「デュタステリド」を服用するのが効果的。
メソセラピーについて
筆者:
AGAスキンクリニックでは、「Dr’sメソ(注射)」が人気と聞いています。メソセラピーはそれ単体ではなく、内服薬と組み合わせることでより効果がでるというイメージでしょうか?
西垣院長:
そうですね、どんな治療であっても、内服ありきなんです。
内服がそもそものベースになってきますから、もちろんメソセラピーにも十分な効果があるのですが、それも内服があっての相乗効果という認識になります。
メソセラピー単体という形は当院では行っておりません。
筆者:
メソセラピーは注射をすることで、ある程度の期間、頭皮に成分が留まっているイメージなんでしょうか?
西垣院長:
そうですね、だんだんと吸収されていきますけど、液体が頭皮の中に入りますので、すぐに拡散されるわけではなく、ゆっくりゆっくり吸収されていきます。
それによって、成長を促して、髪の毛を生やす方向に持っていくということです。
当然、時間と共に成分が吸収されて無くなっていくのですが、内服が毎日持続して飲まなくてはいけないというのは、一定濃度を保たないといけないということが前提としてあるわけなので、メソセラピーの注射の力でより高めていくということになります。
AGA治療薬の副作用について
筆者:
AGA治療薬の副作用についても教えていただけますか?
西垣院長:
フィナステリドは、内服である以上、肝臓に影響を出る可能性がありますから、肝機能障害が出ることもあると思います。
あとは、多少、男性機能に影響が出る可能性もあり、性欲が落ちてしまうということもあります。他にも鬱っぽくなる、睾丸にお痛みが出るといった方も稀ですがいらっしゃいます。
ミノキシジルに関しては、血管を広げることによって、血流を多くすることが目的なので、一つは血圧の低下、あとは、心臓に負担を掛けることを考えると動悸とかむくみ、あとは、頭痛やだるさが出る方もいらっしゃると思います。
もちろん肝機能障害もミノキシジルでもありえることです。
筆者:
実際に通われている男性からも副作用の相談というのはありますか?
西垣院長:
そんなに多くはないですけど、あります。
「多毛症」という症状がございまして、それを副作用と呼ぶかは微妙なところではあるんですが、当然、内服すると全身に作用するので、血液の流れに沿って、頭だけにいくというわけではないんですね。
ということは、生やすお薬の成分が全身に行くわけですから、手とか足の毛も多少濃くなることはありますので、それが「多毛症」という症状になってきますし、毛深くなることに抵抗があるという相談を受けることもございます。
あと、ちょっと性欲が落ちたという方もいらっしゃれば、頭痛が続くとか、そういう方もいらっしゃるのは事実です。
筆者:
そういった場合は、薬の量を減らすのでしょうか?
西垣院長:
そうですね、いきなり、お薬を辞めるというのは、例えば採血検査で余りに数値が高くなっていれば、そういうこともありますけれど、いきなりゼロにするというのではなく、まずはお薬の量を減らすところから始めていくことになります。
ただ、ミノキシジルはそれが可能ではあるのですが、フィナステリドに関しては、基本的に1日1ミリグラムというところで全国共通で推奨されているものになりますので、
それを例えば、半減するとか、2日に1回の服用にするとかは、進行を抑える力というのが、なかなか推奨できなくなってくるので、その辺りは難しいところではありますね。
とはいえ、実際には副作用を感じない人も多いそう。また、これまでにAGAスキンクリニックを受診した人の中には重篤な副作用が起きた人はいないそうです。
AGA治療を始めてどのくらいで生え際の髪が生えてくる?
筆者:
実際に治療薬を服用してどれくらいの期間で、生え際の髪の毛は生えてくるのでしょうか?
西垣院長:
早ければ、2、3ヶ月ですね。だいぶ増えてきたなと感じるのが半年くらいです。
筆者:
発毛するスピードもかなり個人差があるんでしょうか?
西垣院長:
そうですね。かなり個人差があります。
それに、その人その人で生えてきたと感じられる基準が異なるんです。
生え際に産毛が生えてきただけでも、凄く変わったとおっしゃる方もいれば、
生え際とてっぺん両方進行している方に関しては、片一方が我々から診て凄く生えてきてると思っても、「そこはそうなんですけど、もう片方が・・・」という方もいらっしゃいます。
筆者:
人によって効果がでた、髪が生えたと感じる基準が全然違うんですね。
西垣院長:
全然違います。
産毛をもって生えたという方もいらっしゃれば、本当にフサフサぐらいになって初めて生えたと思われる方もいらっしゃいます。
それこそ、3ヶ月くらいでもう充分ですという方もいらっしゃいますし、5、6年続けていてもまだまだという方もいらっしゃいます。
治療をすれば、半年でだいぶ増えたと感じる。そこから先満足いくまでの期間は、その人が何をもって「生えた」と感じるかによる。
AGA治療の効果が出にくい男性の特徴は?
筆者:
いろんな患者さんを診られて、治りにくい男性の傾向はあったりしますか?
西垣院長:
日々、不摂生をずっとされていて、血液の流れも悪いとか、毎日大量に飲酒されていたり、タバコもずっと辞められないとか、メタボリックな方とか、そういう方達は、お薬が効きづらかったり、改善速度が遅いという傾向がありますね。
なかなか髪が生えない方はいらっしゃらないです。
ただ、そのスピード感は、結構、個人差があると思っています。
筆者:
薄毛の進行具合がかなりしている人も治りづらいのでしょうか?
西垣院長:
そんなことはありません。
西垣院長:
進行し始めてから年数が長くても、お薬を使っていけば十分、リカバーできます。
ただ、進行している人ほど、戻すのにも時間が掛かります。
そうなってくると、お薬もずっと服用しなければならなくなるので、直近で薄くなった方と比べると、少し改善の期間が長期化する分、改善しづらいと感じるかもしれません。
筆者:
薄毛になり出してから、どれくらい年数が経過していると、進行度合いが強く、戻すのに時間がかかる、ということになるのでしょうか?
西垣院長:
薄毛になって2、3年経過した人でも、そこまでの状態ではない方も結構いらっしゃいます。なので、見た目での判断になります。
具体的には、症例をご覧いただいて、耳の両サイドから後ろにかけてだけ髪の毛が残っていて、真ん中の髪は全く生えていないような方ですと、結構進行していると思います。
最初からすごいスピードで薄くなる方もいらっしゃいます。進行度合いは、年数というより、見た目ですね。
筆者:
見た目がどこまで進んでいるかで進行度合いを判断されるんですね。
なかなか髪が生えない人はいないが、不摂生な人は治療の効果も出にくい。
薄毛になってからの経過年数が長い人も治療によって充分リカバーできる。ただし、見た目の進行度合いが強い人は戻すのに時間がかかる傾向。
AGA治療の効果が出やすい男性の特徴
筆者:
発毛効果が出やすい男性は特徴がありますか?
西垣院長:
先ほどの逆になりますけれど、不摂生をあまりされていない方、運動をよくされている方、健康志向な方は、発毛効果が出やすい傾向にあります。
筆者:
シャンプーに気をつけて、頭皮環境への意識が高い人も治りやすい傾向はありますか?
西垣院長:
そうですね。
シャンプーもしすぎは良くないんですけれども、ちゃんと頭皮のケアをされていらっしゃって、頭皮環境がしっかり保たれている方は、髪の毛が生えやすい環境にあります。
筆者:
年齢の若さは、治りやすさと関係がありますか?
西垣院長:
あまり関係はありません。
ただ、加齢と共に血液の流れが悪くなったり、代謝機能も落ちていきますので、そういうところで年齢による差はあるかもしれません。
日常生活における生え際の薄毛対策
筆者:
普段生活している中で、生え際の薄毛対策になることはありますか?
西垣院長:
生え際に限らず、薄毛対策としては、最低限度の汚れを頭皮に残さないようにする、不摂生をしない、喫煙者に関しては、タバコを極力減らしていく、ということですね。
まとめ
今回「AGA治療は生え際の薄毛にも効果的なのか?」をテーマにAGAスキンクリニック新宿駅前院の西垣院長に詳しく教えて頂きわかったことをまとめます。
・治療をすれば生え際の薄毛は改善する
・治療しないと、少しずつ進行する
・治療で目指せるゴールは、その年齢での平均的な毛量。全盛期のフサフサ状態になるのは今の医学では難しい。(ゴールを正しく理解していないといつまでも満足できない)
・生え際は頭頂部よりも先に薄くなる傾向がある。先に薄くなった分、髪が戻るのも頭頂部より時間がかかる傾向。
・生え際を前進させたいならミノキシジルは必須の薬。進行を抑えるフィナステリドと一緒に使用するのが望ましい。
・見た目の進行度合いが強い人は髪が戻るのにも時間がかかるが、治療をすれば十分リカバーできる
・生活習慣に気を付けている人は効果も出やすい
一般的に、効果が出にくいと言われている生え際の薄毛は、やはり頭頂部よりも髪が戻るのに時間がかかる傾向があることがわかりました。
しかし、治療をすればAGAで薄くなった生え際も改善は可能とのこと。前向きな話を聞くことができました。
ただし、改善しても全盛期のフサフサになるという訳ではありません。あくまで年相応の平均的な毛量を目指せるということなので、そこは見誤らないことが大切です。
また、生え際の薄毛を改善するにはミノキシジル・フィナステリドを用いた治療が望ましく、それにプラスして生活習慣にも配慮している人は効果も出やすいようです。
ぜひ参考にしてみてください。
今回質問に答えてくださったAGA治療専門医はこの方
今回「生え際の薄毛はAGA治療によって発毛できるのか?」について詳しく教えてくださったのは、AGAスキンクリニック新宿駅前院の院長西垣匠医師。
経歴
2009年3月 大阪医科大学 卒業
2009年4月 順天堂大学附属順天堂医院にて臨床研修開始
2011年4月 同病院麻酔科勤務開始、2012年3月に退職
2013年3月よりAGAスキンクリニックでの勤務を経て、
2018年12月 AGAスキンクリニック新宿駅前院の院長を務める